Happy birthday
包みを受け取っていると、教室の入り口から「はよ~っす」と何ともやる気の無い声が響いた。
その声にいち早く反応したのは私だった。
そんな私を見ていた有紗は、ニヤリと笑うと…
「透真~」
と、その男子を呼んだのだ。
石井 透真(いしい とうま)
同じクラスの男子で、私の片思い中の人。
透真は有紗の声に気付くと、バックを肩にぶら下げたままこちらに歩いてきた。
ああ………今日もカッコイイ……
朝だから少しテンションが低いし、基本やる気のない顔で、無気力に見える透真。
でも、自分に興味ある事には目を輝かせて、物凄い集中力を見せる一面を持っている。
自分の興味ある事には天才的な実力を発揮する彼は……ある意味天才肌なのかもしれない。
そんな透真を一年近く見てきた私。
そんな透真を一年近く見ることしか出来ない私。