Happy birthday
急いで教室へ向かっていると、
調度向こうから吉村が歩いてきた。
「ちょっとー、透真何してたの!?
まあいいや、雛子なら教室に1人で居るから……
雛子、あの調子なんだから、好きなら自分から行動しなよ」
…………自分から行動…
そんなのわかってるよ。
だから、自分の一番好きな趣味で自分の一番好きな雛子の顔を描いたんだ。
教室に入って…
びっくりしている雛子に絵を渡した。
これが俺の愛情表現。
その時、雛子があの日より更に可愛い笑顔になったから……
この絵が『一番好きな雛子の顔』じゃ無くなったんだ。
人の顔って…人の感情って……どんなに『一番』を知っても、それ以上がある……まるで無限大だと、初めて知った。