Happy birthday
「はよ…、何?」
素っ気ない態度で、透真は有紗に聞いた。
「今日はね、雛子の誕生日なんだよ!」
グイッと私の肩を掴んで、私を透真の前に出す有紗。
距離的な思わぬ急接近に、私は慌てて手に持つ包みをギュッと抱き締めた。
チラッと透真を見上げる。
平均的な透真の身長だけど、他の女子よりも身長が低めな私からだと、とても高く見える。
私を見下ろした透真が、眉を潜めたのがわかった。
ズキン………
一気に痛む胸。
自分の興味がある事以外には無気力な透真…
これは…『だから何?』って事だろうか………。
いや、そう言う事だ。
透真は眉間にシワを寄せて「ふーん」と言うと、
踵を返して自分の席に行ってしまったのだから。