心の灯り―キミがいてくれたから―

フェンスに寄りかかってボーっとしていると、隣に陽人がきた。


「最近、体調どう?」


「大丈夫。元気だよ」


あたしが笑顔を見せると、陽人もニッコリ笑った。


「オレ、あれ食いたい。肉巻きポテト」


「あれ冷凍食品じゃん」


「いいじゃん。今度あれ入れてよ」


「はいはい」


小声でそんなやり取りをしていると、


「2人で何話してるの?」


由梨が笑顔で近づいてきた。


「別にー」


陽人がのんきに答える。


「陽人くん私と全然話してくれないよね」


ウルウル目線で由梨が言った。


「そんなことねーだろ」


「いつまでも『半沢』だし・・・『由梨』って呼んでって言ってるのに・・・」


「半沢は半沢じゃん」


「由梨!」


「オレあんまり好きじゃないんだよ。下の名前で呼ぶの」


「なんで!?澪や真由のことは呼んでるじゃん!」


「それとこれとは話別だろ・・・」


陽人は深いため息をついた。

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