心の灯り―キミがいてくれたから―

「それに澪と話する時だけなんか優しい!ずるい・・・」


「え?そんなことないよ」


あたしが慌てて言っても由梨はキっとあたしを睨む。


「そんなことあるよ!澪だけ特別な感じがする!」


困ったな・・・。


まぁ、由梨に隠し事いっぱいしてるから何も言えないけど。


「幼馴染なだけ」


陽人が面倒くさそうに答える。


そうだよ。


あたし達はただの『幼馴染』。


わかってるけどちょっと胸がズキっとする。


陽人が優しいのは『幼馴染』のあたしが病気だから。


それだけ・・・。


「はいはい!そこまでー!!みんな仲良くな!」


秋くんが割って入ってきて、ちょっとホっとした。


仲良くなってから目に見えて由梨の陽人へのアピールはすごいと思う。


誰が見たって陽人のことが好きだってわかる。


でも陽人は由梨にそっけない。


と、いうかクラスの女子にもそっけない。


まともに喋るのは真由とあたしだけ。


それをいいように『クール』ってとってる子もいるみたいだけど・・・。


もう少し仲良くしてもいいんじゃないかな?って思う。


でも、同時にあたしと真由は特別って感じもして嬉しい気持ちもあるけど。

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