心の灯り―キミがいてくれたから―

「澪、大丈夫だから」


真由が涙声で言った。


「ヤダぁぁ!」


真由がしっかりあたしを抱きしめる。


「澪?大丈夫。落ち着いて?」


「悪いけど帰ってくれないか?」


陽人が由梨と雄大に言った。


「そうよ!帰ってよ!」


「澪・・・あの・・・私・・・」


由梨が何か言いたそうだけど聞きたくない。


「オレ下まで送っていくわ」


秋くんが由梨と雄大の背中を押した。


「真由も秋と一緒に行って?オレ1人で大丈夫だから」


「でも・・・」


声をあげて泣くあたしを心配そうに見る。


「澪と2人になりたいんだ」


陽人があたしを押さえながら真由に言ってる。


「わかった・・・何かあったら呼んで?」


「うん」


4人が出て行ったのを見てから、陽人があたしをギュって抱きしめた。


「澪、もう誰もいないよ?大丈夫だから」


あたしは陽人のシャツを掴んでずっと泣いていた。

< 120 / 213 >

この作品をシェア

pagetop