心の灯り―キミがいてくれたから―

「陽人・・・あたしね、夢見たの・・・」


陽人の肩に頭を乗せて呟く。


「夢?」


「中学の時の花火大会の夢・・・・」


無言の陽人にあたしは続ける。


「一生の思い出にしようと思った・・・絶対そばにいるって誓った」


「澪・・・」


「陽人、あたし・・・」


「澪、それ以上言うな」


「え・・・?」


顔を上げて陽人を見た。


陽人はさっきと変わらないで優しく笑ってる。


「オレと澪は幼馴染だ。だからそれ以上言うな」


じゃぁ、さっきキスしたのはなんで・・・?


「さっきのはなに・・・?」


「澪の思い出を取り返しただけだよ」


涙がこぼれる・・・。


『好き』ってことも言えない・・・。


「澪の思い出はオレも思い出だ」


手を離したのはあたしだから・・・?


「でも、思い出ってのは過去のことだ」


陽人・・・・。


どうして・・・?

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