心の灯り―キミがいてくれたから―
今日はあたしの誕生日。
朝からクローゼットの中から大量に服を出して考え中。
だって今日は陽人と初デートなんだもん!!
「12時駅前で」
そう言われたのはつい3日前のこと。
陽人がそれまで何も言わなかったから、誕生日に会えるなんて思ってなかった。
今日は映画を見て、ピアス選んで、そして念願のプリクラをとるんだ!
あたしは不器用だから、髪を巻くとか出来ないからそのままストレート。
服は散々考えたけど、無難にワンピースにした。
いつもしない色つきのリップを塗ると、ちょっと化粧したっぽく見える。
耳のピアスはまだ買ってないからピアッサーのものだけど。
時計を見るともう11時。
バッグを掴んで慌てて玄関に向かう。
「澪?出かけるのか?」
今日は土曜日。
仕事休みのお父さんが声をかけてきた。
「うん。陽人とデートなの!」
ブーツをはきながら答える。
「へー、だからオシャレしてるのか。でも、早く帰ってくるんだぞ?ケーキ用意して待ってるからな」
「早くって何時?」
「遅くても7時だね」
「了解!いってきます!!」
お父さんが笑顔で手を振ってくれた。
あたしも手を振りかえして急いで家を出る。