心の灯り―キミがいてくれたから―

陽人と並んで駅前のショッピングモールを歩く。


なんとなく見たガラスのショールームの前でふと気が付いた。


「陽人、背伸びた?」


「ん?中学に入ってから10センチ伸びたな」


陽人を見上げるのがなんか不思議。


昔は身長同じくらいだったのに。


「あたし全然伸びないよ」


「澪はそのまま止まるんじゃね?」


からかうように笑っている。


「え!?152センチしかないよ!!やだよ!!」


「ちっさ!オレもうすぐ170だよ」


あと10センチは伸びてほしい・・・。


陽人はバスケやってるからもっともっと背が高くなりそう。


どうかあたしも身長が伸びますように!!


「ところで映画って何見るの?」


陽人の質問にあたしは絶句する。


そうだ・・・。


映画ってことだけで何見ようとか全く決めてなかった・・・。


自分のまぬけさに呆れる。


「陽人が見たいのでいいよ!」


「映画見たいって言ったの澪じゃん。澪の好きなのでいいよ?」


今ってなんの映画やってるんだろう・・・。


「え、映画館行ったら決める!」


「もしかして決めてなかったの?」


図星で恥ずかしくなる。

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