心の灯り―キミがいてくれたから―

先生がカップ2個を持って戻ってきた。


「はい。熱いから気を付けてね」


そう言ってカップを渡される。


「ココアだぁ」


ココアの甘い、いい匂いがした。


「遅いヤツだけ特別なんだぞ」


陽人がカップに息をフーフーふきながら言う。


2人で並んでソファに座ってココアを飲む。


「陽人のお母さん、いっつも遅いの?」


「うん」


「じゃあ陽人はいっつも1人で待ってるの?」


「うん。でも、これからは澪も一緒だな」


ニッコリ笑う陽人にあたしも笑顔を返す。


「うん!一緒だね」



児童館にきて友達ができるか不安だったけど、


あたしには陽人っていう友達ができた。


それだけで、児童館に来るのがちょっと楽しみになる。


もっと友達出来れば楽しいかな?


そんな事を考えながらお迎えを待った。

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