心の灯り―キミがいてくれたから―

「ここ小テストに出るからなー。覚えておけよ」


という先生の声と同時にチャイムが鳴る。


もー!毎日毎日小テストばっかり!!


「あーぁ、やんなっちゃうよ!」


教科書をパタンと閉じてため息をついた。


「澪、地理の予習やった?」


真由があくびをしながら聞いてきた。


あたしと真由の席は前後。


3年生になってもクラスは同じ。だから変わらず4人でいるのがほとんど。


「一応やったよー」


ノートを見せると「ラッキー!私やってなかったんだ」と真由がノートを書き写しはじめた。


そんな真由を見てると、ギャハハという集団の男子の声。


その中に陽人と秋くんがいる。


「のんきだよねー・・・」


あたしが呟くと、ノートに目線を移したまま真由が答える。


「そりゃそうだよ。秋と陽人は志望校余裕だもん」


「ですよねー。昔は宿題すらしてなかったのに信じられない」


あたしが陽人の宿題全部やってたもんね。


「頭のデキが違ったってことですよ」


「真由!あたし達も頑張ろうね!」


「澪は大丈夫だけど私がヤバイって・・・」


ちゃんと4人揃って志望校に進学できるか心配・・・。

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