心の灯り―キミがいてくれたから―
「澪、おっはよー!」
駅に着くと真由が声をかけてきた。
高校生になって真由のメイクは一段と派手になった気がする。
あたしもそれなりにしてるけど。
「秋くんは?」
「陽人と学校行ったよ」
「へー・・・」
陽人の名前を聞いても胸が痛むことはない・・・はずだった。
電車の中で真由がのんきに話をし始める。
「澪と陽人ってやっぱり運命なんじゃない?」
「何を・・・そんなワケないじゃん」
「だって、3年間クラスも一緒。ま、これはあたしや秋も同じだけど、席も隣なんて運命感じちゃうでしょー?」
「感じない、感じない。てか、陽人がかわいそう」
あたし達が通う高校は、ちょっとした進学校で、入学したときから科が分かれている。
そして、クラスが変わることはない。3年間一緒。
あたし達4人は文系の科を受験したから、4人とも見事に同じクラス。
『斉藤 陽人』と『桜井 澪』
当然ながら出席番号が近くて、席は近いかもって予想はしてたけど・・・・
まさか隣とは・・・。
しかも1学期中席は変わらない。
なんの嫌がらせだろうか・・・
あたしのため息の原因はこれ。