心の灯り―キミがいてくれたから―

「澪、おっはよー!」


駅に着くと真由が声をかけてきた。


高校生になって真由のメイクは一段と派手になった気がする。


あたしもそれなりにしてるけど。


「秋くんは?」


「陽人と学校行ったよ」


「へー・・・」


陽人の名前を聞いても胸が痛むことはない・・・はずだった。


電車の中で真由がのんきに話をし始める。


「澪と陽人ってやっぱり運命なんじゃない?」


「何を・・・そんなワケないじゃん」


「だって、3年間クラスも一緒。ま、これはあたしや秋も同じだけど、席も隣なんて運命感じちゃうでしょー?」


「感じない、感じない。てか、陽人がかわいそう」


あたし達が通う高校は、ちょっとした進学校で、入学したときから科が分かれている。


そして、クラスが変わることはない。3年間一緒。


あたし達4人は文系の科を受験したから、4人とも見事に同じクラス。


『斉藤 陽人』と『桜井 澪』


当然ながら出席番号が近くて、席は近いかもって予想はしてたけど・・・・


まさか隣とは・・・。


しかも1学期中席は変わらない。


なんの嫌がらせだろうか・・・


あたしのため息の原因はこれ。


< 90 / 213 >

この作品をシェア

pagetop