空色のメロディ
活字の並んだ問題用紙を睨みつける。

今まで同じような問題を解いてきたはずなのに……緊張のせいか思うように手が進まなかった。


これに受かれば…これに受かれば……


私の頭は、もうそれだけでいっぱいだった。



時間は刻々と過ぎ去り、すべての教科が終わった。



「いー、お疲れ様。」

「佳奈お疲れ、やっと終わったよ…」


荷物を整頓して、昇降口へ向かった。

きれいな教室に、きちんと並んだ机や椅子、何もかもが新鮮で、新しい世界にいるみたいだった。

この学校に通えたらな…

こんなところで生活できたらな…


毎日会えるのに……


毎日話せるのに……


毎日先輩と……



「あれ、色羽ちゃん…?」


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