空色のメロディ

そして今日も、腹痛で早退。


受験生なのに大丈夫なのかなぁ…。

ま、近くの高校に受かっとけばいいでしょ。

おばあちゃんも、高校は好きなとこ行けって言ってたし。


今、60歳のおばあちゃんの車に乗って病院にむかっている。

おばあちゃんは「いろはがちゃんと成人してお嫁さんになるまで、車の免許は返さない」と言っている。


私にとってはありがたい。


「いろは? おなかの調子、大丈夫?」

「うん、ちょっと…まだ気持ち悪いけど…。」

「こんな大事な時に、また入院になっちゃったら、大変だねぇ…。」

「大丈夫。高校は『柚咲高校(ユズサキコウコウ)』にすることにしたから。
そんなにレベルは高くないし、生徒の体に関しては、結構管理できてるらしいから。

私の病気も受け止めてくれると思って。」


私は、高校の選び方がちょっと不思議だった。

『私の病気を分かってくれる学校』

『いつ入院するか分からないから、しっかり対応できる学校』


この2つは、確実にクリアしてないとまずい。

わかってもらえなかったら、きっと退学になってしまうだろう。


おばあちゃんも承知してくれている。
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