空色のメロディ
「いーちゃん、着いたよ。」

「ありがと。あとはひとりで行けるから。おばあちゃん、あとで迎え来てくれる?」

「もちろん。お電話してくれれば行くから。気をつけてね。」

「うん。」


私は、おばあちゃんに別れを告げて、いつもの診察室へ急いだ。


今日は寒いなぁ…。

みんな今頃、勉強でもしてるんだろうなぁ…。


―――プルルル…


「わっ、メール。」


おばあちゃんかな。


「…『いー大丈夫ー?』って、佳奈じゃん。」


送り主は私の親友、青木佳奈(アオキカナ)だった。

私の体のことも、目のことも理解してくれてるし、高校も『柚高狙ってる!』って言ってたから、志望校は一緒なんだ。

ただ…。


「えっと『今ね、授業中ナノ(笑)。
いーも大変だけど、佳奈もガンバっとるよ!
いーと一緒の高校行くために、めーっちゃ頑張るから!
そろそろ、先生が気づくかも…。
じゃね☆

あ、返信は3時限目終わったらにして。
今着信鳴ると、殺される。』って…。」


今、メールすんなよ!

まぁ、佳奈はちょっと抜けてるとこがあるからね。

そこがいいんだけど。 
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