空色のメロディ
「ほんと? 柚咲受けるの?」

「はい。受かるかはわかりませんけど、第一志望は柚高です。」

「そっか、じゃあ色羽ちゃんは俺の後輩になるのかぁ…。
めっちゃ可愛がってやる!」

「ええっ! って言うか、受かるかわかりませんので…。」

「大丈夫! バカな俺でも受かったんだから、絶対大丈夫!
あ、じゃあ俺そろそろ行かないと…。」

「ごめんなさい、立ち話しちゃって…。入学式で、会えるといいですねっ!」

「うん、あ、最後にさメアドだけ教えてよ!
仲良くなった記念に。」


えっ、メアドが、交換できるの?

いつでも、話せるの?


「ぜひ! お願いします。」


こうして、私たちは、メアドまで交換してしまった。

実を言うと、すっごく嬉しかった。


「じゃ、ばいばい!」

「さよなら、空…先輩!」


空先輩はにっこり笑うと、駆け足で去ってしまった。


もっと、お話ししたかったなぁ…。

楽しかったなぁ…。


少し残念な気分になりながら、その場を去ろうとしたときだった。


「色羽ちゃん!」


急に、さっきまで話していた声がした。


「『合唱部』の、部室で待ってるから!」


「はいっ!」
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