voice

きっと自分は認めたくないだけなんだと思う。

恋愛小説とか少女マンガっていつも恋してきらきらしてる。
私にはこの人しかいない!って思って突っ走ってる。
毎日のようにどきどきして、甘い言葉に顔を真っ赤にして、いつもいつもその人のことばっか考えて・・・・

羨ましい。


「かおり?」

麻美の言葉に我に返って、目の前の皿が空になってることに気づく。

「あ!私のフォンデショコラ!」

「私が払うんだもーん。」


やられた。
私は、手のひらをおでこに当てる。


「ね、今回授業なん取る?」

「私は、1、2年で結構単位取ったから、必修しか取らないよ。」

今度は、麻美が手のひらをおでこに当てる。

「まぢかー。」


「申請するほどめっちゃ取った。」

「確かに、かおり忙しなかったもんね。」

「ええ」


勉強は好き。がんばればちゃんと見返りをくれるから。
物理も数学も、私を裏切らないから。

「なんでそんなに取ったのよー。」

「だって、3年から専門増えるし、ただでさえ専門苦手だから。
 気合い入れないと!」


大学は、勉強するところである。
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