【短編】白い息に君への想いを
白い息に君への想いを
寒い寒い雪の日の帰り道。
息を吐く度、白い息が空へと昇る。
天から舞い降りてくる雪は地面に辿りつくと、そっと消えていく。
まだ、降り積もる程の量ではないが、天気予報で夕方から明日の朝まで雪が降ると言っていた。
明日の朝、登校する時はまた、大変そうだ。
コートを羽織り、マフラーを巻いて、手袋をしていると言うのに寒くて寒くてたまらない。
それなのに、雪まで降り積もるだなんて最悪だなとか、ぼーっと考えながら歩いていたら、何処からか声が聞こえた。
「もう、あんたなんか大っきらい!!」
「おいっ! ちょっと何処行くんだよ!?」
男女が叫ぶ声が公園の方から聞こえる。
嗚呼、これはカップルの喧嘩か。
女の人が泣きながら公園を出ていき、溢れ出る涙を冷たそうな赤くなった手で拭きながら、
去っていく。
男の人の方は、情けない顔をして、その場にうずくまっている。
そのうち、その男の人が此方に視線を移し、思いっきり目線が合う。
困ったなぁとか思っていると、向こうから視線を外してくる。
見るつもりはなかったとはいえ、罪悪感と言う名の雪が心の中に降り積もる。
可哀想だなぁとは思ったけど、関係ない話だと言えばそうだし、此処は気付かなかったフリをして帰ろう。
そしてまた、歩みを進めようと一歩踏み出す。
息を吐く度、白い息が空へと昇る。
天から舞い降りてくる雪は地面に辿りつくと、そっと消えていく。
まだ、降り積もる程の量ではないが、天気予報で夕方から明日の朝まで雪が降ると言っていた。
明日の朝、登校する時はまた、大変そうだ。
コートを羽織り、マフラーを巻いて、手袋をしていると言うのに寒くて寒くてたまらない。
それなのに、雪まで降り積もるだなんて最悪だなとか、ぼーっと考えながら歩いていたら、何処からか声が聞こえた。
「もう、あんたなんか大っきらい!!」
「おいっ! ちょっと何処行くんだよ!?」
男女が叫ぶ声が公園の方から聞こえる。
嗚呼、これはカップルの喧嘩か。
女の人が泣きながら公園を出ていき、溢れ出る涙を冷たそうな赤くなった手で拭きながら、
去っていく。
男の人の方は、情けない顔をして、その場にうずくまっている。
そのうち、その男の人が此方に視線を移し、思いっきり目線が合う。
困ったなぁとか思っていると、向こうから視線を外してくる。
見るつもりはなかったとはいえ、罪悪感と言う名の雪が心の中に降り積もる。
可哀想だなぁとは思ったけど、関係ない話だと言えばそうだし、此処は気付かなかったフリをして帰ろう。
そしてまた、歩みを進めようと一歩踏み出す。