恋スル乙女。
「俺、こういう相談できる奴いなくて…
ヒナさ、協力してくれないか?頼む!」
目の前で手を合わせる椎名くん。
友達であり、わたしの好きな人。
その椎名くんの好きな人は、わたしの大事な親友。
まだ知らない子の方が楽だったのに。
辛い、辛いよ。
辛すぎるよ…
「…も、もちろんだよ!
わたしに任せて!」
泣くわけにはいかない。
だから、感情を押し殺して無理やり笑って見せた。
「ありがとう、ヒナ!
ヒナに好きな奴できた時は、俺も協力するから!いつでも言えよ」
「うん、そうするよ」
椎名くんが好きなんだよ…
なんて、言えるわけがない。
嬉しそうに喜ぶ椎名くんを見て、わたしはこの気持ちを永遠に封印することに決めた。
深い、深い、心の奥に。
さよなら、椎名くんを好きなわたし。