恋スル乙女。



なんて言うか、その。

椎名くんとは対照的な感じ。

ゆるくパーマかかったような茶色の髪とか、切れ長の目、とか。

クールって感じなのかな。


「聞いてんの?」

「あ、はいっ!
職員室ですよね、わたしも今から行くので良かったら案内します」

「じゃあ、頼む」


こちらへ、と案内するは良いもの…

すぐ後ろを歩いている“彼”に、わたしの全神経が集中してしまって、なんだかそわそわする。


あれ、でも、あの制服って…


ふと疑問になったところで、タイミングが良いのか悪いのか、ちょうど職員室に着いた。


「杉山って人、いる?」

「え?杉山先生?」


びっくりした。

…わたしを呼び出した張本人である担任の先生が、その杉山先生なのだから。


「杉山先生は、えっと」


職員室を覗くと、杉山先生と目が合った。

杉山先生はあの怪しげな笑みを浮かべると、こっちにやって来た。

先生、絶対待ってたな…



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