第2ボタン。

その日の放課後、珍しく部活が休みだったから

早々と帰ろうとしていたときに、

昇降口で杏に捕まった。

「ねぇ、慧くん!一緒に帰ってもいい?」

首を少し傾げて上目づかいで見る杏。

俺、苦手なんだよなぁ…。

小学生のときから。

だけど、ここで断るにも失礼だしなぁ…。

「あー、うん。いいよ」

「ほんとにー!?ありがとぉー」

「いや、べつに…」

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