ひだまりHoney
寄りかかった私の重みで、扉がギギッと音を立てた。
二人がほぼ同時に、私の方へ顔を向けた。
「わっ。平加戸さんかー。ビビったじゃないですか! お化けかって」
「どうした? 忘れ物か?」
「あの……手伝おうと思って」
「えっ!」
紺野さんが立ち上がり、あっという間に私の前に走り寄ってきた。
条件反射的に、私の体は廊下へと後退しそうになる。
「わ、わ、わ、ごめん! 戻らないで下さい! こっちに来て下さい、お願いします」
急停止した紺野さんが、両手を挙げる。ちょっと潤んだ目で私を見つめている。
「わーい! やったー! 平加戸さんが天使に見える……天使の平加戸ちゃんにお願いがあるんだけど、何か飯買ってきて。腹減って俺倒れそう」