ひだまりHoney
二人の口元が引きつったのが見え、私は慌てて「……なんて、ね」と冗談めいたように追加した。
上着を脱いで椅子の背もたれ乗せると、紺野さんから千円札を渡される。
「じゃあ、お願いするか……俺、お茶。平加戸もこれで好きなの買って良いよ」
「俺はコーヒーが良いです。ブラックでね」
「はい」
紺野さんはお茶。桃宮さんはコーヒー、ブラック。
私は何にしようかなと考えながら、室内から出ようとしたその時、桃宮さんが一言放ってきた。
「本当に大丈夫、平加戸ちゃん……変態出るかもよ?」
「えっ……」
私の体は完全停止する。
もう上田係長は帰っただろうか。もし、あの暗闇の中で鉢合わせでもしたりしたら、きっと私は気を失うだろう。