ひだまりHoney
「ばか!」
紺野さんが身を乗り出し、ぱちんと桃宮さんのおでこを叩いた。
そして立ち上がり走り寄ってくると、私の手の中からお札を抜き取って、紺野さんが廊下へ出て行った。
「あれまぁ。平加戸さん、ごめんなさいねぇ。実はマジだったんですね」
「い、いえ。平気です」
老人めいたしゃべり方を耳にして、私は張り詰めていた息を吐き出した。
とぼとぼと席へ戻っていく。
「大丈夫だって! この会社の変態代表はきっともう帰ってるっしょ!」
「え?」
「上田係長!」
正にその変態が怖いのだが、ここで桃宮さんの口から係長の名前が出たことを考えると、あながち美都里さんの予想は間違いでなかったこと知る。