ひだまりHoney
「平加戸ちゃん、おにぎりもらうね」
「はい……まずは私も食べちゃおうかな」
ちょっと悩んでから焼き鮭のおにぎりに手を伸ばした。
「ごめん。平加戸の聞くの忘れた……戻るの面倒だったんで、俺とおそろいにしちゃいました。すみません」
コトリと目の前にお茶のペットボトルが置かれた。
「いえ。お茶好きです。有り難うございます」
「良かった」
ふっと笑った紺野さんに、私は小さくお辞儀をした。
二人に残ったおにぎりを押しつけ、自分は焼き鮭のおにぎりを頬張った。
お茶を半分くらい飲んだ後、私は腕まくりをし作業を開始する。
紺野さんと桃宮さんの掛け合いは途切れることはない。
作業する音、楽しく交わされる会話。私はそれをBGMにし笑みを浮かべる。