ひだまりHoney
「紺野さん、ホッとしたらまた腹減ってきたっす。なんかおごって下さい」
「別に良いよ。終わったら三人で何か食うか。そうだな……あ。俺、ラーメン食いたい」
桃宮さんは咳払いして、口元を手で覆うと、俯き加減で甲高い声を発する。
「私! 本当だったらイケメン大田原に高級料理おごってもらって、舌鼓を打ってたんですからね! ラーメンなんて最低! もっと良い物食わせろ!」
「おい紘。平加戸のつもりか? 似てねぇよ」
「え? 似てるって、ね。平加戸さん」
私も手を止めて、桃宮さんをじろりと睨み付けた。
「冗談でも似てるとか言わないで下さい」
「えー、会心の出来だったのに……でもあれっすよ、紺野さん。後でちゃんと平加戸さんにコースくらいご馳走しなきゃ」