ひだまりHoney

「これを終わらせてから、何か食べて帰ると、最終電車になっちゃうじゃないですか……駅から自宅まではタクシー使うとしても……やっぱりちょっと怖いです」
「何言ってんだよ。責任持って家まで送るって」
「えっ」

紺野さんのあまりにも真っ直ぐな瞳に、何も考えられなくなった。

警戒するよりも先に、不思議な感覚が私を包み込んでいく。

「そんなこと言って……送り狼にならないで下さいよ」
「ならねぇよ」

桃宮さんの言葉にやっと現実に戻ってこられた私は、再び目の前の作業に集中しようとする。

けれど、警戒すべきという気持ちともう一つの感情が体の中でせめぎ合っていて……なんだか落ち着かなかった。

なんだろう、この気持ちは。

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