ひだまりHoney

所属する派遣会社から紹介してもらったオールエヌ企画という会社は、主にイベントの企画や運営をしているところで、社員数もそれなりに多い。

と言っても、私が配属されたのは事務であり、そちらの業務の方達との面識はあまりない。

「これで良しと。はい、宜しくね」
「分かりました」

笑みを浮かべながら頷けば、上司のまなじりが下がっていく。

「二百だからね。間違えないでね」
「……は、はい」

紙を受け取ると同時に、上司の少し湿っぽい手が手の甲を撫でてきた。

思わず眉を寄せれば、タヌキの口元がにたりと緩んだ。

すぐさま手を引き戻そうとしたけれど、私の手はごつごつした手に完全に包み込まれてしまった。

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