ひだまりHoney
二十代そこそこだろう彼女達は、肩を並べたままラーメン店の隣りのお店の扉を開けた。
何のお店なんだろうとじっと見つめていると、二人と入れ替わるように店内から男性が一人出てきた。
スーツ姿で、赤ら顔。おまけに足取りもおぼつかない。
三歩ほどで足を止めた酔っ払いオジサンが、虚ろな目を向けてきた。
途端、つま先から頭の天辺に向かって、嫌悪感が駆け上っていく。
「だから……うん。もうこんな時間だし」
背後で、扉の開く音と、紺野さんの声が聞こえた。
「そう……その辺にいるから。宜しく」
肩と頬で携帯電話を挟み、手元はお財布へお釣りをしまいながら、穏やかな様子で誰かと会話をしている。