ひだまりHoney
私は静かに、紺野さんの横へ移動する。
こちらを見ているのか、それとも見ていないのか、酔っ払いのよく分からない目線から逃れるべく、紺野さんを盾にしたのだ。
「どうした?」
通話を終え携帯を鞄に戻した紺野さんが、小声で問いかけてきた。
「あの……別に……何でもないです」
「その顔色はなんかあるだろ」
お構いなく、貴方を盾にしてるだけですから……なんて言うのも気がひけて、私は正直に思いを告げる。
「ちょっと、目が怖くて。すみません」
「……あぁ。アレか」
周りを見回し見付けた酔っ払いに、紺野さんは目を細めた。
「心配すんな。泥酔のオッサンに負ける気はしないから」