ひだまりHoney
紺野さんに笑い飛ばされ、強ばっていた力がふっと抜けていく。
隠さず、我慢せず、言って良かった。
「帰るか」
紺野さんが歩き出せば、私と松戸さんは彼に続いて進み出す。
歩きながら、私は少し先を行く大きな背中を観察する。
身長は私より頭一.五個分くらい高く、体つきはスリムだ。きっと私と違って無駄な脂肪なんてないだろう。腰も細い。
だからと言って決して華奢というわけではない。
「とりゃー」
「やめろって」
松戸さんが近くに転がっていた空き缶を蹴りつけた。
それを見て、紺野さんが呆れ顔をする。
食事中に聞いたのだけれど、紺野さんと松戸さん、それから桃宮さんは、フットサルをやっているらしい。