ひだまりHoney
「……あっ」
そんな自分の考えに驚き、口元を手で覆えば、少し先で紺野さんが足を止め、松戸さんに手を軽く振った。
「また明日。寝坊すんなよ」
「紺野さん、ごちそうさまでした。次もまた誘って下さーい。待ってます」
「気が向いたらな」
「平加戸さんも、また明日」
「お休みなさい」
ちょこっと頭を下げててから、松戸さんは駅入り口へと小走りに向かっていく。
その後ろ姿が入り口に差し掛かったとき、くるりと振り返った。
「紺野さん、このまま彼女をドコカに連れ込まないで下さいよ-! いけないコトすると、貞子が来ちゃいますよー」
周囲のまばらな視線が一斉に私たちに集中する。
恥ずかしそうな顔で、紺野さんは頬をかいた。