ひだまりHoney
「おじちゃんと、いっしょにーのんでくれるかなー」
お酒くさそうな手に掴まれそうになった瞬間、私の体は大きく後退する。
酔っ払いとは違う力に、引っ張られたのだ。
後ろ向きで倒れ込んだ私の体を、力強い腕が包み込む。
この支えるように回されたのは、紺野さんの腕。
耳元で聞こえる息づかいも、背中に感じる温かさも、彼のものだ。
首を無理やり動かし後ろを見れば、紺野さんは目の前の酔っ払いに射るような視線を向けていた。
守ってくれている。
そう理解した瞬間、心が痺れた。
「警官もこっちを見てるから……酔っ払いが暴れ出したら、すぐ飛んでくる」
酔っ払いが、よろけながら距離を縮めてきた。