ひだまりHoney
そしてゆっくり遠ざかっていった。
でも紺野さんの瞳は私から反らされないままで、私も反らす事が出来なかった。
「やば……信じてって言っといて、俺、何やってんだろ。ごめん。息して下さい」
目の前で手を振られ、私はハッとする。慌てて息を吐き出し、そして深く吸い込んだ。
ププッとクラクションが鳴り、シルバーの乗用車がガードレールの向こうに停車した。
「晃だ……乗って」
なんだか足元がふわふわする。動けないでいると、紺野さんが申し訳なさそうに呟いた。
「本当に今みたいな事はもうしないから、絶対に……だから、乗って下さい。家まで送らせて下さい、お願いします」
スモークの入った窓ガラスが下がっていく。奥に大田原さんがいた。