ひだまりHoney
「あと少しの辛抱」
自分に言い聞かせるように小声で呟いた時、開けっ放しのドアの向こうを二人の女性が通り過ぎていった。
どちらも私が派遣されたての頃、事務から企画業務へと移動した派遣社員だ。
企画も運営も、少ない人数で多くのチームに分かれ仕事をこなしているらしく、廊下ですれ違う正社員はいつもあんな風に忙しない。
ジャケット片手に小走りにエレベーターへ向かっていった二人の姿も、見違えるように生き生きと輝いて見えた。
あんな姿を見ていて、最近思うことがある。
出来れば次は女性が多い職場で、忙しくても良いからやり甲斐のある仕事がしてみたい、と。
「すみません、上田さん。考えてもらえましたか?」