ひだまりHoney
「酷いですね、平加戸さん。僕の誘いを断って、晴暉と一緒だなんて」
「平加戸は、仕事で困ってる俺等を放っておけなかったの」
「……克服相手は、僕より晴暉の方が向いてるんじゃないですか?……あぁ、こら。後ろにいなさい」
開いた窓に、白と薄茶色がまだらになった前足を乗せ、小さな顔がぴょこりと現れ出た。
「わっ! かわいい!」
キラキラした瞳で紺野さんと私を交互にみて、チワワがキャンっと可愛く鳴いた。
「触っても良いですか!」
「えぇ、もろんです。でもその前に、車に乗って頂けますか? 家まで送りますので」
身を屈め窓を覗き込み、私は大田原さんに頭を下げた。
「すみません。お願いします」