ひだまりHoney
ほかのスペースと比べると、あまり準備が捗っていないように見えたのだ。
焦った方が良いのではとも思うが、そのスペースには誰もいなくて、そのことも余計に奇妙に見えた。
通路沿いの、おそらく最初に目が行くだろう場所に、箱や厚紙を組み合わせ作られたディスプレイ棚がぞんざいに放置されている。
見た感じ、完成にはほど遠い。
ブースのブランド名を確認すると、よく耳にする名の通った会社だった。
リボンをモチーフにしたロゴ入りの化粧品やポーチを女性が持っているのを頻繁に目にする。私自身も、昔、口紅を買った。
まぁでも……と、私は考え直した。
きっとそんなに時間もかからず組み立てられる物なのだろう。