ひだまりHoney
戸口から顔を覗かせた男性に対して、事務の女の子達の手が止まる。
どこからともなく、嬉しげな悲鳴が上がり始めた。
色素の薄い茶色の髪、ハーフだろう印象を受ける顔立ちの男性。細長い足が、一歩だけ室内に入ってきた。
「大田原(おおたわら)くん。えーっと……二人そっちに回して欲しいって事だったよね」
「はい、出来れば。こちらとしては三人欲しいとこですけれど」
皆が興味津々で、二人の会話に聞き耳を立てているのが分かった。
手を伸ばせば届いてしまうくらい近くにいる彼から、そっと私は三歩離れた。
「おい、三人だとこっちが厳しくなるだろ……二人だとしたら、結城君か宮前君か河西君か。誰が行く?」