ひだまりHoney
過去と今
飲み物の自動販売機に小銭を投入する。
次々と投入したせいか、認識されなかった十円玉がからりと落ちてきた。
それを取り出し、乱暴気味に投入すれば、またからんと音がした。
「もう!」
イライラする。
反抗的に落ちてくる丸い物体にも、さっきの女性の言葉にも。何もかも。
私は深呼吸して、そっと十円玉を小銭投入口に差し込んだ。
今度は大丈夫だったみたいで、一斉に全てのボタンが緑色に染まった。
何にしようかと、一つ一つ飲み物を確認する。
視線の止まった場所に向かって、私の手は導かれたように上昇していった。
ボタンを押し購入したのは、缶コーヒー。