ひだまりHoney
「……私も、その方向が良いです」
「分かりました」
話が良い方に進んでくれることを願って、私は膝の上で手を組んだ。
また電話がかかってきたらしく大田原さんは窓ぎわへ、松戸桃宮コンビは自動販売機へと向かっていった。
「ねぇ、珠洲ちゃん」
「はい?……うっ」
二人取り残された途端、美都里さんの手が私の肩に乗せられる。至近距離に納得のいっていない彼女の顔があった。
「さっきのどういう意味?」
「え?」
「大田原さんに告白されたんだけど振って、紺野さんと付き合うってこと?」
「ち、違います!!」
発せられる言葉がか細すぎて、なかなか聞き取ることが出来なかったけれど、頭の中に意味が入ってきた瞬間、私はまた大きな声を出していた。
松戸&桃宮コンビと大田原さん、それから見知らぬ人々が、私たちをちらりと見た。