ひだまりHoney

桃宮さんは続けて美都里さんの肩を叩いた。

「……言うの?」
「言わなかったら、最近いつどこで誰としたかを、教え――……」
「短大一年の夏休みです」

即答した美都里さんに舌打ちをした後、桃宮さんは大田原さんと紺野さんの肩を同時に叩いた。

いつの間にか、二人も私たちの話を聞いていたらしい。

「次は……大田原さん、言っちゃって!」
「僕は十七の時。留学先で」
「わお、イメージそのまんま。きっと相手は金髪っすね」

大田原さんは否定もせずにフフッと笑う。

「はい。紺野っち……あっ、今さら知らん顔するのは駄目ですよ。輪の中に入ってたじゃないですか。さぁ、初体験はいつ、どこで、誰と!」
「なんで俺だけ項目が増えてんだよ!」

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