ひだまりHoney
「お疲れ。お先! 今から私ね、美容院なの。急がなくちゃ」
「お疲れ様です。また火曜日に」
美都里さんに手を振ってから、私は入れ替わるように室内に入った。
自分の荷物の入っているロッカーの前に立ち、「終わった」と口にした瞬間、今日の疲れが一気にのし掛かってきた。
動けないでいると、ロッカーの中でメールの着信を告げる音が鳴った。
私はのろのろと鞄を取り出し、メールを確認し、目を丸くする。
紺野さんからだった。
「きゃっ。可愛い」
昨日の夜撮ったやつ。というタイトルで愛犬のピースくんが大きくはっきりと写っていた。
『上手く撮れてるだろ? 平加戸よりは。』
本文にそんな文字が並んでいた。