ひだまりHoney
『ピース君はすっごく可愛いけど、紺野さんは可愛くないです。一言余計です。』
すぐに私は、そう返信した。
「待ち受けにしちゃおうかな」
ひとりごちて、私は折り畳んで仕舞い込んでいた上着をロッカーの中から取りだした。
廊下から騒がしい声が聞こえてきた。松戸さんと桃宮さんの声だ。
「私も早く帰ろう」
時刻は七時を過ぎている。うかうかしていると、遅くなってしまう。九時前には帰りたい。
上着を羽織り、私は更衣室を出た。
会場の明かりは所々落とされている。
入り口付近に目を向けると、遠くに松戸さんと桃宮さんの後ろ姿が見えた。
「……そっか。うん……分かった」
後ろから紺野さんに抜かされる。