ひだまりHoney
二人で行くのかと、一気に不愉快になり、頭を抑えた。
なんで私は、紺野さんで一喜一憂しているだろう。
紺野さんは、嫌いじゃない。
大田原さんも、松戸さんも、桃宮さんも、別に嫌いではない。
でもそのライン上に、紺野さんは並んでいないような気がする。
もっと上にいる。
きっと私は、彼に惹かれている。
だから、こんなにも心が乱される。
これは焼きもちなんだ。
ポケットに忍ばせておいた紺野さんの名刺を取り出した。
認めよう。認めたくないけど。
紺野さんのことが――……。
「うー……いててて」
また照明が落とされ会場が薄暗くなった瞬間、呻くような低い声が聞こえてきた。