ひだまりHoney
「なんだよ、お前等は関係ないだろ! 入ってくんな! とにかく、壊したのはこいつだ。そっちで責任持って直せよ」
足を踏みならしながら、男は逃げるように去って行った。
紺野さんは言葉をかけてくれた女性に頭を下げると、崩れ落ちたディスプレイに目を向け、髪の毛をくしゃりとかき上げた。
「ごめんなさい」
上着を脱ぎ、シャツの袖を捲った紺野さんを見て、私は小さく謝罪の言葉を述べた。
「なんで俺に謝って、あっちに謝んないんだよ」
「嫌です。あの熊男には、絶対に謝りたくないです」
ディスプレイの前にしゃがみ込んで、紺野さんはそれに手を伸ばす。
「私、直しますから。行ってください。これから予定あるんですよね?」
紺野さんの横に腰を下ろした。