ひだまりHoney
優しい手
抱えていた荷物をワゴン車の荷台に押し込んで、私は肩を回した。
イベントは無事終了し、会場の片付けも終わった。残ったのは、心地良い達成感だけだ。
駐車場にはもう車もあまり残っていない。
おまけに電灯もポツリポツリとしか存在していない。
普段なら、どこかに人が潜んでいるような気持ちになり、不安になってしまう所だけれど、今は気分も良いためかそこまで気にならない。
社の車の周りに、ここ数日一緒に仕事をこなしてきた仲間がいるというのも、きっと心に良い影響を与えてくれているのだと思う。
皆のお陰で、明るい場所を求め逃げることもなく、私は立っていられる。
「平加戸さん、コレで最後っすか?」
「はい。この荷物で最後でした」