ひだまりHoney
「……卒倒なんかしません。たぶん。きっと」
紺野さんはジャケットを羽織りながら「説得力ないな」と苦笑した。
そして鞄から車の鍵を取り出し、松戸さんに手渡した。
「さてと……じゃあ、荷物はお前ら宜しく」
「はーい」
紺野さんが松戸さんだけでなく桃宮さんも指さした。彼らの返事がぴたりと重った。本当に息が合っていて面白い。
ふっと笑みを浮かべ、紺野さんは二人に向かって手を掲げた。
「お疲れ」
松戸さん達は目を輝かせて、その大きな手へと飛びつくようにハイタッチする。
ぱちんと音が鳴り響いた。
不覚にも、感動してしまった。
「お疲れサマー! はい、大田原さんも!」