ひだまりHoney

「……卒倒なんかしません。たぶん。きっと」

紺野さんはジャケットを羽織りながら「説得力ないな」と苦笑した。

そして鞄から車の鍵を取り出し、松戸さんに手渡した。

「さてと……じゃあ、荷物はお前ら宜しく」
「はーい」

紺野さんが松戸さんだけでなく桃宮さんも指さした。彼らの返事がぴたりと重った。本当に息が合っていて面白い。

ふっと笑みを浮かべ、紺野さんは二人に向かって手を掲げた。

「お疲れ」

松戸さん達は目を輝かせて、その大きな手へと飛びつくようにハイタッチする。

ぱちんと音が鳴り響いた。

不覚にも、感動してしまった。

「お疲れサマー! はい、大田原さんも!」

< 201 / 447 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop