ひだまりHoney

はいはいと朗らかな笑みを浮かべながら、大田原さんも彼らに手の平を向ける。

また、ぱちんと小気味よい音がした。涙腺が緩みそうだ。

感傷に浸っていた私は、松戸さんの視線にハッとする。

目が合えば、彼は手を出してきた。そしてまさかするよねという表情を見せてくる。

つい唇を引き結んでしまったけれど、私は息を吸い込んで、ゆっくり松戸さんへと一歩近寄った。

松戸さん達は、ちょっと変わっている……というか、正直に物事を言う所がある。それだけで、変態ではない。

大丈夫、ハイタッチするだけ。出来る。

逆にしないと、失礼だ。

「お、お疲れ様でした」

その手を叩いた。ばちんと音がした。

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