ひだまりHoney
「心の底から笑ってるように見えたから、てっきり何かエロいことでも……あー、そうじゃなくて、メルヘンチックな事でも考えてるのかと。そんな顔もするんですね」
「今の顔、知ってました? 紺野さん」
腕を組んで斜め後ろに立っていた紺野さんが「俺?」と呟いた。
振り返れば、目が合った。紺野さんはじっと私を見つめ、口角を上げた。
「……まぁ時々、見る。平加戸って、笑うとほわっとするよな。普段陰ってるところに、太陽の光があたって、陽だまりができるような」
「はぁっ!?」
松戸さんと桃宮さんが一斉に眉根を寄せ、紺野さんを見た。
「ほわって、ほわほわって事ですか?」
「あほみたいに、ほわほわってことですか」
「違う!」
「じゃあ、さりげなく口説いてるんですか?」
「そして平加戸ちゃんに呪いを掛けるつもりですか!? 貞子が来る。きっとくる」
「あのなー」