ひだまりHoney

手が止まる。

嫌とかそんな気持ちからではない。

それとは真逆の、その温かな手に触れる事への恥ずかしさからだった。

「……えっ」

止まってしまった私に、紺野さんが目を見開いた。

ハイタッチしてくると思っていただろう彼の指先が、ぎこちなく動いた。

「わー。紺野さん残念！」
「一番嫌われていなさそうで、実はめっちゃ嫌われてたんですね」

紺野さんの瞳がみるみる細まっていく。

「平加戸、なんだよそれ」
「す、すみません。でも、あの、嫌ってるとか、そういうんじゃないですから」
「……納得いかない」

ムッとしたまま、手を下ろされてしまった。

頭の中に「失敗」という二文字が浮かび上がる。